子供にお金の教育をしたいと思っていても、実際にどのようにしていけばいいか悩みますよね・・。
それもそのはずで、私たち親の世代は学校からも親からもお金の教育なんて受けてません。
最近ようやく、「やっぱり投資ってやった方がいいの?」と友人から聞かれることが多くなりました。
時代は少しずつ変わってきているな・・と感じる一方で、それを誰かに教えるとなるとハードルが高く感じます。
ましてや、子供にもわかるようにどうやって伝えたらいいのか・・。
私自身も、しっかりと意識し始めたのは、金融機関に就職してから10年程経ったころからでした。
今では子供も理解できる年齢になったことで、より具体的に細かい話も出来るようになり、最近よく言われる金融リテラシーが上がってきたなと感心しています。
子供の適応力は本当に素晴らしいです。
私の子育てのモットーは、私がいつ死んでも自分の力で生きていける子供に育てる!です。
人生にはお金が必要です。
ですから、親からのお金の教育は必須だと思っています。
みなさんも是非、子供との日常会話の中に自然とお金の会話が出てくるようになってもらえたらいいなと思います!
なぜお金の教育が行き渡ってないのか
ではなぜお金の教育は、重要視されてこなかったのでしょうか。
2022年4月より、高校での金融教育がスタートしましたが、今までは学校教育で教えられることはありませんでした。
学校で教えてもらえなければ、家で教育するべきですが、当然お金の知識は勉強しなければ身につきませんし、子供に教えるには更にハードルが高いと言えます。
特に、お金の話は子供の前ではするなと言われることも多いですよね。
親世代自身も、失われた30年という経済の超停滞時代の中で、自分自身の人生設計にも不安がある人が多いという印象です。
また、親のそのまた親の世代は、高度成長期、バブル、バブル崩壊までを体験しており、70,80代くらいのお客様は「株だけはやるなと子供に言っている」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
時代は常に変化していきます。もちろん「親が株で大損した!」という過去の教訓も大事ですが、その一つの点で判断するのではなく、時代という流れの中の線で考えることが大事だと感じます。
判断を誤らないための唯一の方法は、自ら学び、多くを知ることです。
経済とか政治とか難しいことはわからない!と思うかもしれませんが・・世の中には簡単にかみ砕いて解説してくれている本や媒体がたくさんあります。
自分が生きてる世の中はどうなってるんだろうと単純な疑問からスタートして、苦手意識を持たずに興味を持っていれば自ずと知識が広がっていきます。
そして、子供に教える前に、まずは身につけた知識で自分自身の人生設計に自信を持てることが大事ですね。
お金の教育をするメリット
お金の教育をすることはとても大事です。
高校での金融教育がスタートしたことは前述しましたが、とてもいいことだなと思います。
ただ学校教育も大事ですが、やはり一番身近にいる親の価値観に影響をたくさん受けますので、積極的に日々お金の会話ができる環境にしていければいいと思います。
お金で苦労するリスクを減らせる
生きていくうえで、お金はなくてはなりません。
私は仕事柄、生活するお金がない、借金が多すぎるという理由で、人生が破綻するお客様を何人も見てきました。
あるとき、ご相談に来られる方、どの方にも当てはまる特徴があると気づきました。
どのお客様も最初は普通の生活をしている方でした。
しかし、その後生活破綻までしてしまう方の特徴としては、誰でも予想できるリスクに備えていなかったことと、生活破綻の前兆があった初期の段階で何も対策をしなかったこと、だと思いました。
厳しいことを言うと、もともとお金の知識がなく、問題に直面しても尚、その問題から逃げて目をそらしてしまっている方達でした。
お金の計算は単純で、入ってくるお金から出ていくお金を引いてプラスなら黒字家計と言えます。
まず、入ってくるお金を自分で努力して稼ぐことは前提条件ですが、支出もしっかりと把握しなければいけません。
今後数年間の計画と、今の現状が変わるかもしれないときの対処法を考えていると、お金の心配はあまりありません。
そうすると、例えば同じ家計簿の内容の家庭であっても、リスクに備えて「こういうリスクにはこう対処する」と考えている人は強いです。
すぐに適切な行動に移すことができ、お金で苦労するリスクは最小限に抑えることができます。
このような考え方は、お金のことを学ぶときに基礎となることなのですが、大人になっても知らない人は大勢います。
また、社会保障や税金を学ぶことも大事で、国や自治体がどのような仕組みで成り立ち、自分のお金がどのように使われているかを知ることができます。
小さいときからその感覚があれば、なんで病院に行くと無料でお薬がもらえるのか、なんで近くの公園はいつもきれいなのか、なんで図書館は無料でたくさん本が借りられるのか・・など身近な仕組みを、小さい子供でも紐付けて感じることが出来ます。
人生設計がしやすくなる
また、家計の数年先(10年くらい)の計画を立てると、10年後に自分は〇歳で、子供は△歳かぁなどと、その時にどんな風にお金を使うのか想像することができます。
〇歳までには、家族で海外旅行に行ってみたいなど、生活以外での目標もできます。
人は、どのようにお金を使うかを考えるときに、その人の価値観がよく現れます。
今後の人生でどのようにお金が必要になるかを考えたうえで、自分はそれ以外の何に使いたいのか?を考えてみてください。
お掃除ロボットがほしい、都会にマンションを買いたい、年に一回くらいは遠方の親友に会いに行きたい、など・・自分が人生の中で何に価値を感じているかを考えるきっかけになります。
お金は無限ではないですが、自分のお金の使い道は自分で決めることができます。
私は、離婚して明らかにお金がない状態でしたが、お金がなくて辛いと思ったことはありません。
というより、お金がないとは言わないと決めています。
お金はただの道具で、それをどのように使っていくかとうだけのものです。
お金は手元にあるだけでは何も生まれず、それを何かに交換したときに初めて価値が生まれます。
だから、お金を持っているからすごいとかではなくて、持っているお金の範囲で、死ぬまでに自分にとってどれだけ幸せなお金の使い道を選択できたかが重要だと思います。
子供の子供にも価値観が受け継がれる
子供にそのような価値観をつけることで、そのまた子供にも価値観は受け継がれていきます。
みんな、子供には幸せになってもらいたいと思っているのに、その伝え方がわからないという人は多いです。
少し価値観がずれると、子供には曲がって伝わってしまいます。
「収入は安定していた方がいいから公務員がいいよ」などは典型的なパターンです。
「こんな仕事がしたいなら公務員だね、公務員は収入が安定していていいよね」と順番が逆になるだけで伝え方は変わります。
何を仕事にするかを選択する基準は、収入ではなく、やりたいことです。
子育ての中で、親も子供の性格などを見ながら伝えていく必要があるので、時間がかかります。
子供と接する中で、少しずつその子に合った教育方法を育んでいくものだと思います。
しかし、親が子供に伝える教育のなかで、確実に心に伝わる強い気持ちは、「経験したことから伝える教育」だと私は思っています。
親が失敗を繰り返しながら経験したことは子供の心に伝わります。
伝える努力は必要ですが、子供が実際に経験して大事なことと分かれば、またその子供にも伝えたいと思うはずです。
その知識をつけたうえで、人生の選択を自らしていける子供に育ってほしいなと、そしてその子供の愛する子供にまで伝えていってほしいなと思います。
夢が叶う
お金のことを学ぶと、お金はただの道具だと理解できてきます。
「お金持ちになりたい」というのは夢とは違います。
「お金持ちになって、南の島に豪邸を買って住みたい」、まで言えてそれは初めて夢になります。
お金は様々なものに交換できます。
その一方で交換できないものもあります。
健康でいたい、時間がほしい、子供を笑わせたい・・お金を払っても必ず手に入るとは言えませんよね。
だけど、お金があれば、ジムに行ったり、時短家電を買ったり、子供をディズニーランドに連れてったり・・目的が達成できるかは確実ではないけれど、少しは近づくことができます。
こういうお金では買えない夢や目標を叶えるために、お金の使い道を決めていくをという風になってもらいたいなと思います。
最終的に人間の望む夢(幸せ)は、お金で買えないことが多いです。
しっかり人生設計をして、夢や目標を持って、お金を自分の意志で選択して使えるようになれば、そのお金で買えない夢(幸せ)に近づくことができると私は思っています。
そんな充実した人生を子供には送ってもらいたいと思います。
家でできるお金の価値観を身につける教育方法
具体的には、家でどのようにしていけばうまく価値観が身についてくるのか・・ 。
それは、様々な場面で子供自身に考えさせることが必要だと思います。
お小遣いの管理をさせる
まず、お小遣いを毎月定額渡します。
大体の相場や自分の価値観でいいと思います。
あまり大きなお金でなくていいと思います。
小学生なら1,000円くらいまで、中学生なら3,000円くらいまで、高校生なら5,000くらいまでというような感じです。
ある程度の幅の中で、子供達と一緒に話をしながら、また兄弟の中で不公平にならないように家族会議をします。
お小遣いを決めたら、お小遣いの範囲で何に使っても、特に干渉しません。
無駄遣いだなとか、1週間で使っちゃうなんて!とハラハラする時もありますが、冷静な顔をしてください。
「これを使う権利は、あなたにあるのだから好きに使っていいのよ」と言う寛容な心が必要です。
お手伝いで報酬制にする
お小遣い以外には、お手伝いをすると報酬がもらえる制度にするといいと思います。
これは、自分でやるべきことは含まれません。
例えば、いつも洗濯物をかごに入れずに脱ぎっぱなしだけど、今日は入れたよ!とか。いつもはやらないけど、食べた後の食器をシンクに片付けたよ、などです。
それは、当然やるべきことなので、お手伝いではないですよね。
うちは、紙に箇条書きにしてポイント制にしています。 ご飯を1品作ったら10ポイントとか、トイレ掃除は50ポイントとかです。
そして、掛け目は年齢が高いほど高く設定します。
成長するにつれて、お手伝いの完成度が上がってくるので、報酬もアップするべきですし、4つ下の妹と同じ報酬だと不満が溜まるので、そうしてます。
妹は、同じお手伝いをしたのになんで少ないんだと抗議していきますが、お姉ちゃんも4年前は同じ金額だよと説得できます。
そして、ママが疲れているときはママからお手伝いしませんか~?と勧誘!?(笑)します。
今日このお手伝いをしてくれたら、1.5倍ポイントです~と言って、自分が疲れているときにやりたくない家事をお願いします。
大体、「やった~!ママ、2倍にしてよぉ~」とずる賢いことを言ってきますが、そこもご愛敬。
自分も楽が出来て、子供ともコミュニケーションが取れて、一石二鳥、疲れていてもイライラせずニコニコ出来る必殺技です。
(注:この必殺技が使えるのは、ある程度子供が大きくなってからです。
お手伝いが定着してきて、見守っていなくても出来るようになるまではものすごく時間がかかります。
初めから楽をしようと思ってお手伝いさせても、出来るわけがないのですし、自分でやった方が早いのです。
小さいときから、忙しいときも、子供とお手伝いを通して根気強くコミュニケーションを取ってくると、あとあと家事が完璧な子供が自分を助けてくれ笑顔にさせてくれます。)
家計簿を見せて家族会議をする
家計簿を見せていいのかとよく聞かれますが、いいと思います。
年収がいくらとか、貯金がいくらとかそんなお金の話子供にするなんて・・という考えの方も多いなと思います。
しかし、社会に出る前にそういう話をしないと、1ヶ月のご飯代にどのくらいかかるのかということや、家に住むには色々なお金がかかるんだとかそういうことを知らずに急に社会に放り出されるようなものです。
社会人になってお給料をもらって始めて、え?一人暮らしするとこんなにかかるの?好きな服とかバックとかもっと買いたいのに・・とそこで始めてお金の問題に直面します。
私は、ある程度わかる年齢(中学生くらい)になったら、家計簿の内容で節約した方がいい部分などを一緒に考えてもらいます。
お金の使い方の大まかな価値観は家族で合わせることが大事です。
内容は漠然としていますが、単純で、家族みんながやりたいと思っている楽しいことには遠慮なく使う。
その上で、日々の生活は贅沢せずに家でみんなでご飯やお菓子を作ったり、節約を考えて行動する。
その内容は、家族で話し合ってその都度決める。
というスタンスです。
予算内で「家族みんなの希望が叶う旅行の計画」をしているときなどは、とても充実した時間になります。
家の資産と負債の把握を一緒に考えさせる
私は、離婚したとき、家計簿は完全にマイナスだなぁと心の中では少し焦りましたが、その代わりに頑張って貯めた貯金が手元にありました。
離婚後は、子供達がママお金大丈夫?と心配そうに聞いてきましたが、自信を持って「大丈夫!お金はあるから心配しないで、ママに任せて!!」と言えました。
離婚して、すぐに節約するような生活は避けたかったですし、何より子供達に不安な顔を見せたくない。
それが出来たのは、蓄えがあったからです。
本当によかったと思います。
貯金があるので、少しの時間の猶予と心の余裕が出来、その間に収入を上げることを考えることが出来ました。
家計簿の話をしたら、次は貯蓄や資産、住宅ローンなどの負債の話をします。
先ほどの話のように、今の収入は少ないけど貯蓄があるから大丈夫というような話や、住宅ローンがあるけど家は今売るとこのくらいで売れると思うよという話もどんどんします。
最初はピンとこなくても興味がなさそうでも大丈夫です。
感覚が身についてきて、私の学区は土地が高いとか、おばあちゃんちは土地が安いから広い土地に大きい家が建てられるんだ・・という会話が自然と出てくるようになります。
家の会計も、決算書で言う、
損益計算書(P/L)・・収入と支出がわかり赤字か黒字か判断できる=家計簿、
貸借対照表(B/S)・・資産と負債のバランスがわかる=家にある資産(現金・株・不動産など)と負債(住宅ローンなど)の把握、
会社の会計の基本と同じように考えます。
家計の成績表と持っている資産と負債の把握は欠かせません。
資産運用の内容や結果を教えて考えさせる
ニュースなどで、株価が・・という話がでれば、すぐに持っている投資商品のチェックをして、すかさず「今のニュースの件でママの持ってるこの商品の価格が昨日より○万円も増えてるよ!」とか言うと、ものすごい反応をします。
えー、ママすごい!みたいに。(笑)
実際にママがすごいわけではないのですが・・。
そういう話は、興味があればなんで上がったの?なんて質問が来たりして、顔に出しませんが内心、よし!興味を持ってくれたぞ~と嬉しくなります。
どんな商品に投資しているかとか、どんな結果になってるかもよく話をします。
実際に、○万円儲かった!みたいな話は、単純に興味があるようですね。
その中で、儲かると税金がかかることや、NISAなどの優遇制度がある話もします。
よくわからなくても、日頃から言葉を口に出すことで、なんかニュースでやってたななどと、頭の中に記憶として残っていることを教えてくれたりします。
日々の会話に自然に混ぜることが大事です。
なんか、ママ言ってたな~というところから、自然と身についていきます。
うちは働き始めたら、まず初めてのお給料は月1,000の投資をしてみてねと約束しています。
長期投資の破壊力は、実践しないと伝えられないので、出来る範囲のお金でよくわからなくてもまず投資を始めて欲しいと強く!?言っています。
進路先や就職先を考えるときに、学費や給料の概算をする
進路先を考えるときに、まず自分のやりたいことの中から進路先を決めます。
その後に、その進路先はどのくらいの収入があるのかなどをおおよそ予測しておきます。
こんなはずではなかったということをなくすために、やりたいこととお金のことは別で考える必要が出てきます。
やりたいことを探したり、進路先を決めるのは、時間がかかります。
それが終わった後に、お金のことを考えればいいと思います。
気をつけることは、先に収入がいい仕事を探さないようにうまく誘導してあげてください。
子供はどうしても、「給料が高いから、薬剤師がいいらしい」とかどこからか情報を仕入れてきますので、軌道修正してあげます。
お金がいいことは魅力的なので、そういう考えも理解できます。
ですから、頭ごなしに否定するのではなく、まずやりたいこと、その後にお金のことを考えてみようというように考え方の方法を伝えるといいと思います。
大事なのは切り離して考え、最後に総合的に判断するという順番がいいと思います。
高校を卒業してから10年先までの人生設計を一緒に考える
高校を卒業したら、大学に行くのか、就職するのか、いよいよ自分の選択で人生を歩み始める時が来ます。
そのときに、単に安定してそうだから公務員になりたい、などというような短絡的な考えは避けたいです。
進学先のその先には、結婚して子供が欲しい、結婚はしたくないけどパートナーは欲しいなど、人生をどのように歩んでいくか、様々な道があります。
10年先を考えたときに、この仕事で子供を持ったらどうなるかなどを具体的にイメージしていきます。
就職前に、そのイメージで疑問に思うことを解消できればいいですね。
親としては、この進路を一緒に考えるという時間は、子育て最後の大仕事ではないかと私は思います。
子供には苦労させたくないという言葉はよくありますが、苦労しない人生なんてないのではないでしょうか。
苦労したり辛い経験をしたりしたその先にたどり着く、その人にしかわからない幸せがあるんだと思います。
子供に苦労して欲しいとは思っていませんが、たくさんの経験をして欲しいと思っています。
それは、すなわち苦労するということなんだろうと思います。
苦労できる人は、逃げずに努力出来る人です。
子供には、自分の人生を精一杯生きて、悔いのない人生にしてもらいたいと思います。
子育て最後の大仕事、子供が19歳から28歳になるまでの人生設計を一緒に考えて、全力で応援したいですね!
まとめ
お金の教育と一言に言っても、これだけやっておけばいいということはありません。
単に資産運用の方法だけ教えればいいわけではなく、社会の仕組みや、今後の自分の人生において、お金をどのように使っていくかを一緒に考えてあげることが一番大事だと思います。
やはり時間はたくさんかかります。
現代のママは忙しいのでそんなに時間が取れない!と思うかもしれませんが、とても大事なことなので、日々の会話に少しでも混ぜていって欲しいと思います。
自分の子供が自らお金を稼ぐようになって、そのお金で自分や周りの人を幸せにするようなお金の使い方が出来る子に成長してくれたら、親としてこんなに嬉しいことはないと思います。
お金は、ただの道具です。何かに交換して始めて価値が生まれます。
まずは、「家族みんなでやりたいこと」を考える家族会議などをしてみる!というようなことから始めて見るといいと思います。
日々忙しくて忘れがちですが、少しずつ学んで、大好きな子供たちにたくさん知識の財産を残せるよう一緒に頑張って勉強していきましょう!