共有名義の住宅ローンのある家に子供たちと住みたい!

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離婚を考えたとき、子供の生活は極力変えたくないし、今まで通り今の家に住みたいなと思いますよね。

しかしほとんどの人は、家を建てるときに住宅ローンを組んでいますから、住宅ローンはどうなるんだろう・・と悩みますよね。

よく「共有名義の住宅ローンがあるから、離婚できないんだよね」ということを言っている人がいますが、 そんなことはありません。

共有名義の住宅ローンがあってももちろん離婚は出来ますが、離婚をする前に準備をすることが大事です!

私は銀行員のときに住宅ローンの融資担当を何件も経験していたので、普通より少しスムーズに手続きが出来たと思っています。

それでも、思い通りに進まなかったり、時間がかかったり不安になることもありました。

大変でしたが、今まで通り今の家に子供たち住みたい!という強い思いで、準備をしてきました。

共有名義の自宅に住む方法

(1)自宅の名義も住宅ローンもそのままで住む

共有名義でも、夫(相手)の単独債務でも、妻(自分)が住み続けることは可能です。

後でもめないように、離婚協議書などに、誰がいつまで住宅ローンを払うのか名義を変えるならいつのタイミングで変えるのかを明記しておいてください。

夫の名義の住宅ローンを、養育費や慰謝料の代わりに払ってもらい、名義はそのままというケースもよくあります。

このケースは、特に手続きも必要がないので楽だからいいと思いがちですが、あまりお勧めしません。

権利があるのは所有者(名義人)なので、売りたい!と思っても、勝手に売ることはできませんし、後々トラブルになる可能性が多いです。

もしこのケースで進められる場合は、離婚協議書の内容を弁護士さんに確認してもらい、法律的に問題がないかの確認は必ずしてくださいね。

弁護士さんといっても、今は初回無料相談や30分5,000円程度で、書類チェックだけしてもらえるので是非活用してみましょう。

(2)相手の持分を買い取り、全て自分の名義にしてから住む

共有名義の住宅ローンの場合は、夫(相手)の持分を買い取るという方法があります。

夫(相手)単独債務の場合でも、住宅ローンの申し込み内容は同じです。

1,500万円ずつの共有名義の場合は、 自分が3,000万円の単独債務の申し込みをして、1,500万円の2本のローンを返済するイメージです。

相手が3,000万円の単独債務の場合は、 自分が3,000万円の単独債務の申し込みをして、3,000万円の相手のローンを返済します。

どちらも、自分が全額ローンを申し込みして、審査が通れば買い取れます。

いずれにしても、自分が今後何年間も家に住むことになるならば、自分の名義に変更することをお勧めします。

(注意点としては、数年間しか住む予定がないなどの場合は、名義をそのままにしておいた方がいいケースが多いのでよく検討してください。)

買い取る場合の手順

(1)銀行に行く前に準備することは?

・住宅ローンの申し込み条件は?

住宅ローンの申し込みをする際は、正社員として働いていること(個人事業主の場合はある程度所得が高くないと難しいケースが多いです。)が条件になります。

家を買い取りたいと考えているが、まだ専業主婦やパートだという方の場合は、数年計画で正社員として雇用してもらえるように働き方を変えていきましょう。

また、勤務年数が1年未満は対象外など、審査においては数年間正社員として働いていることが条件となる場合が多いです。

条件を満たしていないけど、すぐに離婚したい!ときは、今は焦らずに離婚協議書には追記をしておくといいです。

離婚後は、名義はそのままで妻が住宅ローンの支払いをするが、新規住宅ローンの申込準備が整い次第名義変更すること、夫(売る側)はその手続きに協力することなどを追記しておけば、大丈夫です。

離婚協議書の内容も含めて、将来的に買い取りたいということを銀行の担当者に相談しちゃいましょう。

しっかりと計画をたてたうえで、買い取らないことも選択肢として考えておくこともできます。

また住宅ローンの申し込みの時は、団体信用生命保険(団信)といって、亡くなったら(もしくは特定の病気にかかったら)ローンが全額返済になるという 保険に必ず入らなくてはいけません。

ですので、持病があるなどの場合は、団信が通らないケースがあります。

住宅ローンの申し込みをする際は、一般的には正社員として働いていること病気持ちでないことが条件となってしまいます。

ただ、銀行によっては(担当者によっては・・)、そのときの銀行内の内情や抜け道を知っていて、申込を受付けてくれるスーパー担当者!?がいることが稀にあるので、諦めずに相談だけはしてみてください。

・銀行へ行く準備は?何が必要?

・返済予定表

住宅ローンを申し込んだ時に返済予定表というものが銀行から発行されていますので、 その今月の残高を確認します。

なければ、銀行で発行できますので、窓口に行ったときに発行してもらってください。

(引き落としの通帳と印鑑が必要です。)

銀行に行く前に、今いくらローン残高があるかを確認しておくといいのですが、なければ大丈夫です。

・源泉徴収票

年収勤務先の確認書類として必要です。

基本的には前年所得分でいいですが、あれば2年分持っていきましょう。

・持ってる資産の確認書類

資産状況を聞かれるので、銀行の通帳の写しや株や投資信託の残高のわかるものなどを持っていくとスムーズです。

借入金額については全額借入を希望したいところですが、それは自己資金がなくていいという訳ではありません。

借入金額の1割程度の自己資金があるといいと思います。

ただ、ヒアリングだけで、確認書類はなくてもいいケースも多いので、言われたら出せば大丈夫です!

・今の住宅ローンの引き落としの通帳と届出印(持っていれば)、認め印

返済予定表の発行などには届出印が必要なので、通帳届出印は、あれば持っていきましょう。

届出印とは別に認め印もあると便利です。

・離婚協議書のひな形

自宅を買い取る場合、財産分与として自宅を譲渡するということと、所有権移転(自宅の名義変更)をすること、住宅ローンを引き継ぐことなどを明記してた離婚協議書を作成してください。

出来れば公正証書にすることをお勧めします。

相談時点では、出来上がっていないと思いますが、ひな形を作って持っていき内容を確認してもらうと安心です。

そのときに、「司法書士の先生にこの内容で所有権移転できるか確認しておいてください」と言っておくとスムーズです。

所有権移転(名義変更)のときに、離婚協議書の内容に沿って変更するので、離婚協議書内容が正確でないと実行日当日に変更できないということになってしまいます。 

・リフォームローンなどがある場合は、その返済予定表

家に関するローンが住宅ローン以外にあるときは、その返済予定表を持っていって住宅ローンに組み入れてもらいましょう。

家のトイレをリフォームしたとか、外壁工事をしたとか、家に関するローンがあればまとめてもらえる可能性が高いです。

(2)銀行の融資担当の方に相談と交渉をする

・まずは今借りている銀行に相談に行きましょう。

まずは今借りている銀行に必要書類を持っていきましょう。

離婚する予定であり、家を買い取りたいことを伝えます。

そして、今の返済期間を最長に伸ばしてもらえるよう交渉します。

返済期間は家を建ててから35年間が基本ですが、今は40年間などに伸ばしてもらえるケースがありますので

返済期間を最長にしてください」と交渉してみましょう。

早く返した方がいいから、返済も多い方がいいのでは?という質問もよくありますが、住宅ローンは借入の中でも低金利なので、借りれるだけ借りてできるだけ現金をストックしておくといいと思います。

・リフォームローンなどはまとめてもらう

リフォームローンなどの家に関するローンがある場合は、住宅ローンに組み入れることが出来ます。

リフォームローンなどは、返済期間が短いので、住宅ローンに組み入れることで全体の返済金額を抑えることが出来ます。

交渉としては銀行の担当者に、「住宅ローンの残高とリフォームローンの残高と諸経費の全額の借入を希望しています 。返済期間は最長で組みたいです。」と伝えてください。

諸経費は、ローンに入れてくれない銀行もありますが、最初は借りれるだけ借りてください

後でいくらでも内入れできますので。

とにかく、離婚でお金が忙しくなるので、住宅ローンを予定より多く借りれるということは、低金利で資金調達出来たということになります。

・キャンペーン金利を利用する

どこの銀行も住宅ローンの金利などは、いくつかの取引をすることでマイナスになるので出来るものがあるか確認しましょう。

まだ変動金利が主流ですが、固定金利にしたいという方も増えてきた印象です。

私の考えとしては、住宅ローンは低金利(変動金利)で借りて、今持っている資産を投資にまわす方が効率がいいような気がしています。

(3)住宅ローンの申し込み

・住宅ローンの申込をする

銀行に必要書類を持っていくと、ほとんどの場合その場で仮申込が出来ます。

仮申込では早くて3日から1週間くらいで審査が通ったかわかります。

無事に仮審査が通ったら、とりあえず一安心です。

仮審査が通ったら、次は本申込の手続きをします。

始めに必要書類を提出しているので、特に言われるものはないと思いますが、 私の場合は、離婚後の家計の収支表を求められました。

エクセルで簡単に収入と支出(住宅ローンの返済)を入れたものを作っておくと早いです。

わからなければ紙に給与○○円、電気代○○円のように毎月の収支を書いたものを持っていっても大丈夫です。

また、仮審査から本申請(正規の申込)までに、期間が空いてしまい、年収が大幅に下がるなどの変化がある場合は事前に相談しておきます。

(未確定な部分やネガティブな情報は、自分から言わない方がいいです!(笑)

聞かれたら嘘をつかずに答えましょう!)

(4)名義変更完了!

・住宅ローン決済。諸経費はいくら?

本審査が通ると、 住宅ローンの実行日の前に、契約書の記入(印鑑証明書や実印が必要です。)や、売る方(夫)が名義を外すための委任状(司法書士の先生に渡す印鑑証明書が必要です。)を書いたりと決済までの準備があります。

準備が整うと、住宅ローンの実行日を決めて、住宅ローンの実行、名義変更!となります。

かかる費用は、

登記費用 

ローンの金額によって違います。(平均20万から50万と考えておいてください。)

今ある融資の担保を外して、新しく担保をつける、また自分に名義を変える、という登記をします。

印紙代

金額によって違いますが大体2万から6万くらいです。

銀行の契約書などにかかります。

銀行手数料

大体5、6万円です。

銀行側が担保つけたり、色々な・・事務手数料です。

細かい計算を説明してもしょうがないので、全部で20万円から60万円くらいと考えておけば大丈夫です。

因みに、最初の申込のときに、「諸経費はいくらかかりますか?」と聞くとその場で銀行担当者が計算してくれますので、忘れずに聞いてください。

諸経費も融資してください」も忘れずにお願いしてください!

よく頭金なしで買えます!といううたい文句のチラシを見ますが、それはあくまで、「全額ローンはできるけど、家を買うんだからある程度の貯金はないとおかしいよね・・」というのが銀行側のスタンスです。(資産がどのくらいあるかの確認は行うことが通常です。)

・税金はかかるのか

離婚で財産分与として受け取った分については、贈与税はかかりません

それ以外の場合はかかってしまうケースが多いので、不安な方は税務署に問い合わせてください。

また、売った方(今回のケースは夫)が時価とかけ離れて高い金額を受け取った場合などは、儲かった分に税金がかかるので、このようなケースもご注意ください。

・確定申告は?住宅ローン控除は使えるのか?

離婚による財産分与で、共有名義の分を買い取ったときは、住宅ローン控除が使えます。

ですから、買い取った翌年に確定申告をして、住宅ローン控除の申告をしてください。

今はネットで簡単にできるので、忘れずに確定申告をしましょう。

また、銀行にも「住宅ローン控除で使いたいので残高証明書を毎年発行するように手続きしたいです」と言って、毎年自動で残高証明書(控除を受けるのに毎年必要です。)を発行してもらえるように依頼してください。

2年目からは、勤務先に必要書類を提出すれば、年末調整でやってくれます。

・名義変更!

住宅ローンが実行になって、所有権移転登記が終われば名義変更完了です!!

まとめ

共有名義の住宅ローンがあると離婚できないのでは?という考えをお持ちの方も多いですが、そんなことはありません。

どのような形にしたいかを、最初にイメージし、銀行に相談に行ってください。

また、万が一借りている銀行から借りることが出来なかったとしても、条件が揃っていれば他の銀行にも申込をしてみてください。

(条件が揃っていなくても、諦めずに相談し、どうすればいいかも銀行担当者にどんどん聞いちゃってください!)

(個人的には色々なところに相談に行って、条件のいいところにする・・いわゆる天秤にかけるようなやり方は担当者に失礼なのでやりたくはないなぁと職業柄思ってしまいます・・。)

ただ、銀行によって審査の方法が違いますし、審査は通ったけど、条件が悪かったということもあります。

例えば、自己資金を1割入れてくださいとか、親を保証人に入れてくださいとか言われるケースがあります。

そんなときは、無理せずに他の銀行にも相談して、適切な判断をしてください。

手続きが難しかったり、時間がかかったり、離婚で心労があるなか大変だと思いますが、今の家に子供たちと住むために諦めずに頑張りましょう!

著者

アキ

新卒で金融機関へ就職し、2回産休育休を取り復職しました。                                      しかし、営業職で残業も多く、子供のとの時間を削らなくてはならないことに常に罪悪感や寂しさを感じていました。                                  12年間勤めた同じ会社から独立した先輩のコンサル会社に転職を決意。                                   時間や心の余裕ができ、子供の行事に必ず参加できるようになったことで、自分の人生にとって大事なものを改めて考えることが出来ました。                                   心の余裕が出来たことにより、自分にとっての仕事の意味を考えるようになりました。                                             忙しさと仕事の質は比例しない、質の高い仕事とは相手のことを考えながら仕事をすることだと気が付きました。                                            金融機関の時のように、試験取得やノルマを強制されるわけではないので、仕事においての学びをどのようにしていくかに悩みました。                                    子育てや家事を理由に努力を怠ることは違うのではないかと、自問自答し、金融機関にいたときより、更に努力しなくてはいけない、もっとお客様から信頼される人になりたい、という気持ちになりました。                                        そして、宅地建物取引士や1級ファイナンシャルプランニング技能士の資格取得を目指しました。                                       そのころちょうど離婚を考えていていたのですが、自らの離婚の準備に今までの学んできた知識が本当に役に立ち、お金の知識の重要性をひしひしと感じた瞬間でした。                                       とはいえ、離婚するには様々なことを決めたり、手続きしたりと、心労もあるなかで本当に大変なことばかり・・。                                            私のように専門に学んでいても、大変なのだから、よくわからなくて困っている人はたくさんいるのではないか、と考え、自分が大変だったことや、知っていたらよかった、というような話を発信し、少しでも悩んでいる人の役に立てればいいなと思いました。                                           また、子供が小さいころから正しいお金の知識を身に着けることがとても大事だと、常々思っております。子供と学べる楽しいお金の話もしていきたいなと思います。

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